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事例15:傷病名で障害年金をあきらめない
(転換性障害)

傷病名  転換性障害
年金の種類  障害厚生年金
等級  1級
請求方法  障害認定日請求(遡及)
年齢・性別  - 男性

 山田太郎さん(仮名)は、平成14年の秋に電車で会議に向かう途中、駅のホームで突然意識を失って倒れ、救急車で病院に搬送されました。2日後に意識を回復しましたが、左上下肢が麻痺しており全く動かない事に気づきました。当初は脳梗塞の疑いがあると指摘され、複数の病院の神経内科、脳神経外科で様々な脳に関する検査を受けましたが原因は明らかとなりませんでした。原因不明ながら様々な治療が施されたのに、症状は一向に改善しません。

 倒れてから半年が経過したとき、脳に関する器質的な原因が見いだせないことから精神科の受診をすすめられ、受診したところ「転換性障害」と診断されました。「転換性障害」とは、精神的・心理的な葛藤やストレスが原因となって、腕や脚の麻痺といった身体機能を喪失する精神疾患の一種です。症状の多くは短期間で治るようですが、希に慢性化する場合もあるとされています。

 平成16年4月に、山田さん自ら障害年金の裁定請求を行われましたが、結果は不支給でした。藁にもすがる思いで、インターネットを検索され、障害年金支援ネットワークの存在に気づいたことから、平成17年7月に当ネットワークを通じて私が委任を受けることになりました。

 山田さんと面談を重ねた後、平成18年3月に再度の障害年金の裁定請求を行いましたが、またもや不支給となってしまいました。

 そこでやむなく審査請求を行うことになりましたが、旧社会保険庁(日本年金機構の前身)が決定したその不支給処分の理由は、障害の状態が障害等級に該当する程度ではないという、ただそれだけでしかありませんでした。

 ところが山田さんの症状は左上下肢の麻痺で、障害等級1級に相当することは疑う余地がありません。それにも拘らず何故に3級にも該当しないのか、その理由は全く書かれていません。

 そこで審査請求の中で、まず旧社会保険庁に対して不支給処分をした真の理由について釈明するよう求めました。それが明らかにならなければ、的確な審査請求理由を述べることができないからです。しかし、旧社会保険庁の釈明が行われないまま、審査請求は棄却されてしまいました。

 そうなると次の段階としては再審査請求しか残されていませんので、ついにやむなく更なる手続きを行わざるを得ないことになりました。

 そこでも審査請求と同様にあらためて旧社会保険庁に真の不支給理由の釈明を求めることとし、その釈明が行われた後に再審査請求の理由を申し立てることとしました。旧社会保険庁の釈明は、その後「意見書」という形で示されました。

 それはつまるところ、相談者の「転換性障害」は「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(以下「認定基準」という)に定める「神経症」に該当するために認定の対象としないというものでした。

 しかし障害等級というものは法律の精神にのっとって、「障害の状態に」有るか無いかで決められるべきで、障害の原因となった病気で左右されるものではありません。認定基準というものは法律を適用する具体的な基準として旧社会保険庁の一部長の通達として出されたものに過ぎないものですから、法律の精神に背いて単に認定基準に該当しないことを理由に申請を拒否することは許されません。まさに木を見て森を見ずと言えます。

 また左上下肢の機能不全という症状が、仮に脳梗塞などの脳血管障害によって起ったものなら、肢体の障害として問題なく認定されたことでしょう。つまり旧社会保険庁は、障害の原因となった病気の種類によって障害認定に差別を持ち込んだ疑いがあります。

 結局再審査請求の争点は、相談者の左上下肢麻痺の状態が障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)を2年以上経過しても尚改善しないという場合において、この認定基準を適用することに妥当性があるかどうかという点に絞られました。

 社会保険審査会は裁決の結果、通達にとどまる認定基準が適用されるためには、その内容に合理性と合目的性が認められることが前提ですが、相談者のケースでは、障害の状態が明らかに国民年金法施行令別表の1級に該当する重篤な程度であること、発症からかなりの期間が経過しているにもかかわらず全く改善の兆しがないこと、そして類例が乏しく医学常識で今後の推移を的確に予見することが困難であること等、相談者固有の特殊事情を考慮すると相談者の障害の状態について認定基準を適用することは妥当性を欠くと判断され、上記障害認定日での受給権は認められませんでしたが、平成18年3月の請求日時点において障害等級1級の障害厚生年金を勝ち取ることができました。

 障害年金は、傷病による障害が労働及び日常生活に制限を加える程度によって判定されるべきものであり、決して傷病名によって区別されるべきものではありません。上にも述べたように、山田さんの左上下肢麻痺の原因疾病が脳血管障害であったなら不服申立をすることなく、問題なく容認されたと思われます。

 時として行政が障害年金の本来の趣旨をなおざりにし、傷病名にこだわった判断がされることがあります。今回のケースは完全な勝利とまではいきませんでしたが、少なからず行政の間違いを正せたのではないかと思っています。

 平成17年7月に委任を受けてから支給の決定を受けるまで2年近くかかることになりましたが、相談者の決してあきらめない姿勢が今回の支給決定につながったことは言うまでもありません。

 

担当社労士 Y.K(滋賀県)

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