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事例19:神経症で障害年金受給
(アスペルガー症候群・社会不安障害・気分変調症)

傷病名  アスペルガー症候群・社会不安障害・気分変調症
年金の種類  障害基礎年金
等級  2級
請求方法  障害認定日請求(遡及請求)
年齢・性別  20代・男性

 平成1010月、当時12歳で初めて通院した病院のカルテは破棄されており、初診日の証明が取れませんでした。その後はしばらく通院せず、15歳のときに別の医療機関に通院しました。ここの医療機関で初診日の証明(受診状況等証明書)を取得しました。

 

 ここで、アスペルガー症候群を含む発達障害の障害認定基準を確認したいと思います。発達障害の場合、初診日の考え方が2つあります。

1)発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。

2)発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

3)発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。

 発達障害は通常低年齢で発現するものとされていますが、子どもの間は親に保護された環境下で育っていますので、障害に気付かないで生活している人も珍しくありません。「周りとちょっと違う個性的な子どもという認識を持っていたけど、病気とは気付かなかった。だから、病院に連れて行くこともなかった」と話してくれる親御さんの言葉をよく聞きます。中には、医学部・歯学部を卒業するほどの頭脳明晰な発達障害の方もいらっしゃいます。

 そして子どもが社会人となり、会社に就職した後に周囲とのギャップに悩み、仕事が手につかずに退職することがあります。そこで初めて精神科を受診し、詳しい検査の結果、発達障害と診断されることがあります。

 障害認定基準では「知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。」とされているため、20歳以降で受診した場合は国民年金の保険料を支払っていることが条件になります。

 この辺りのことは本当に難しいと感じています。知的障害を伴わない発達障害者で国民年金の保険料を払っていない場合は障害年金を受給できない可能性があり、知的障害を伴う発達障害者は初診日が出生日となりますので、国民年金保険料の支払い状況に関係なく、障害年金を受給できる可能性があります。

 別の見方をすると、発達障害者で国民年金の保険料を払っておらず障害年金を受給できない方は、一度知的検査をし、そこで知的障害があると判断されたら、20歳前障害(出生日が初診日となる)として請求をすることも可能と言うことになります。

 

 さて、ここで本題に戻ります。ご本人は「知的障害を伴わない発達障害」なので、初診日の証明(受診状況等証明書)は必要になります。幸いにして15歳時点での初診証明が取れましたので、20歳前に医療機関を受診したことは確実です。

 

 そして、請求する上でもうひとつ問題がありました。ご本人の場合、20歳時点の診断書と、請求日時点では違う病院に通院しており、20歳時点では発達障害と診断されていませんでした。

 ・20歳時点の傷病名 : 社会不安障害、気分変調症

 ・請求日時点の傷病名 : アスペルガー症候群

 まずは請求日時点の診断書を先に取得しました。次に、20歳時点の診断書を取得すると、傷病名は不安神経症と気分変調症とされていました。障害認定基準は神経症を認定の対象としていません。障害認定基準には次の通り記載されています。

 神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。

 なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属す病態であるかを考慮し判断すること。

 気分変調症はICD-10コードでF34とされていますので障害年金の認定においては特に問題にならないと考えました。問題となるのは不安神経症です。不安神経症はICD-10コードでF40とされているので、F40に分類されていると障害年金が支給されない懸念がありました。私は当時の主治医に発達検査のデータや請求時の診断書を添えて意見を伺いました。すると、20歳当時の主治医は「当時は不安障害と気分変調症で診断していた。当時は知能検査をしておらず、また、確定診断も得られなかった。今から考えればアスペルガー症候群の可能性がある。この場合、どのように診断書を書いたらいいか」と質問がありました。

 その質問に対して、私は「診断書は当時のカルテに基づいて書くのが原則であり、傷病名を当時ご診断されていた病名で記載して頂き、備考欄に、『今から振り返ればアスペルガー症候群の可能性を否定できない』等と書いて頂いたらいいと思います。ただ、ご診断内容については私が口を挟める立場ではないので、先生にお任せ致します」と回答しました。

 すると、20歳当時の主治医は傷病名を「不安神経症、気分変調症」と記載し、備考欄に「発達障害を基盤として不安神経症、気分変調症が生じていた可能性がある。ただし、発達障害の診断確定のためには、より詳細な検査等が必要であったため、上記診断となった」と記載されていました。

 

 結果、20歳時点も請求時点当時も障害の状態と判断され、20歳にさかのぼって障害年金が支給され、400万円以上の年金が振り込まれました。

 

担当社労士 T.I(大阪府)

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