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事例22:若年性アルツハイマーの等級に不服!1級獲得

傷病名  若年性アルツハイマー
年金の種類  障害厚生年金
等級  1級
請求方法  障害認定日請求(遡及)
年齢・性別  58歳・男性

 Aさんは50代の男性で、若年性アルツハイマーを発症。とても進行が早く、日に日に言葉が出ない、道が分からない状況となり発症後半年で、30年お勤めだった会社を退職されました。その後、自宅療養と入院加療を繰り返しながら、家族は懸命に介護してきました。障害認定日を迎えて私がお会いした時には、病気はとても進行し、自分の名前も分からない、家族の認識も不可能、お風呂も着替えも自分一人では全くできません。24時間紙オムツで、便が汚物だということも判断できません。会話は全く成り立たなくなりました。ほんの少しも目を離すことが出来ない常時介護が必要な状態です。介護と仕事に忙しいご家族に代わって、私が手続きを行うことになりました。ご家族の話をゆっくり聞き、主治医にも家での状況を報告しました。先生は報告にじっくり耳を傾けて下さり、正確な書類が出来あがりました。すぐに年金事務所に提出。当然、重度(1級)の年金証書が届くと思っていました。ところが、届いた年金証書は2級(中度)だったのです。

 

 どう考えてもその等級は納得できませんでした。病歴・就労状況等申立書は簡潔に仕上げ、書ききれなかったその他不便なことは、「別紙」を準備して出来ない事を報告しました。診断書も主治医はしっかり支障を書いてくれましたし、臨床検査の点数も明記して下さって最重度であることは伝わるはず。1級の内容です。

 

 では、なぜ2級になったのか?考えられる可能性は一つだけでした。

 

 精神の診断書の「適切な食事摂取」についてだけ「中度」レベル(自発的かつ適正に行うことは出来ないが助言や指導があれば出来る)にチェックされていました。2級と決定された原因と考えられるのは、この部分だけなのです。診断書の裏表その他の部分を細かく読んでみても、どこをとっても重度=1級レベルです。認定基準には、「精神障害は多種多様であるから、それに応じた状況を考慮した上」で審査するという内容が書かれていますから、診断書の食事の部分だけを切り取られて、「中度=2級」になることは不服と考え審査請求することにしました。 

 当初から「適切な食事摂取」が中度にチェックされていることはもちろんわかっていました。

 ここで2級と判断される可能性があることは、感じていましたので、より詳しい状況説明を予めしておきました。なぜ「重度(出来ない)」ではなく「中度(自発的かつ適正に行うことは出来ないが助言や指導があれば出来る)」にチェックされているか? これには正当な理由があります。Aさんは食事の時に、お箸やスプーンを使うことは出来ません。手づかみで一生懸命口に運びますが、こぼれてしまうので、プラスチックのエプロンをしています。口に入る量よりも、エプロンに入る量の方が多い程です。そのような状況の中、汚れるからと言って、介護者が口まで運んで食べさせてしまったら、折角自分で口に運べる能力を奪ってしまう事になります。時間はかかっても、たとえ汚れても介助者が横について、助言や指導をした上で「自分でやる」ことを重視した生活をしています。残っている能力を少しでも長く活かすためのリハビリをしているのです。

 審査請求の書類の中では、これらの状況は全て初回の提出資料の中に明記していることを改めて訴えました。

 そして、診断書の隅から隅までを改めて検証し、臨床テスト(30点満点中0点)から見ても重度=1級であることは間違いないことを申し立てました。結果は認定日請求で処分変更(1級)になりました。

 

 大切なことは、初回の提出書類の正確さです。そして、諦めないことです。

 

 今回の事例では、当初から一語一句に拘った正確な書類を提出していました。ですから、不支給になっても動じることなく論破することができました。

 

 家での状況を主治医の先生は知らないことも多いので、しっかりコミュニケーションを取った上で、診断書の作成をお願いしてください。

 

担当社労士 T.S(広島県)

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