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事例29:進行性の難病と向き合って
(多系統萎縮症)

傷病名  多系統萎縮症
年金の種類  障害厚生年金
等級  2級
請求方法  障害認定日請求(遡及)
年齢・性別  56歳・男性

 障害年金支援ネットワークにご相談のお電話をいただいたのは、まだ初診日からまだ1年もたっていない時期でした。

 後で思い返すと階段でふらついて転倒したこともあったそうですが、酔っていたためだと思っていたそうです。次第に体のバランスがとりにくく、自転車に乗るのが怖いと感じるようになりました。それでも、低血圧のためかなという程度で、深刻な病気であるとは思っていなかったそうです。あるとき、ベットから落ちて膝を打った痛みが取れないため、整形外科を受診し、ふらつくことがあるという症状を伝えると神経内科を紹介され、検査の結果、多系統萎縮症と診断されました。

 手の震えも起こるようになり、職場では「アルコール依存症ではないのか」等とあらぬ噂を立てられたそうです。契約更新時に退職されましたが、ご自身ではまだ働けるつもりでいたので、身体障害者手帳の取得はせず、普通にハローワークに求職の申し込みをしました。

 ところが、病気の進行が思った以上に早く、働けそうにないため、障害年金の請求を思い立ったとのこと。年金が請求できるようになる障害認定日は、まだかなり先でしたが、「その時になったら、自分で社会保険労務士を探したり、委任状にサインをすることも難しいかもしれないから。家族にもできるだけ負担をかけないよう、今できることをやっておきたい」と請求手続きの契約を希望されました。

 有効な治療法が確立されておらず、進行性で徐々に体の自由が利かなくなる難病を宣告されたお気持ちはどのようなものだろうと胸が詰まる思いで業務をお受けしました。

 「病気がわかってからも、家族が明るくふるまってくれることが本当にうれしい。こんな病気にはなったけれど、家族のありがたさに改めて気づかされました」とお話ししてくださいました。

 障害認定日のころに改めてお電話し、診察に同行して医師に診断書の作成依頼をしました。そのころには、車いすでないと外出できない状態になっていました。言葉の障害もすすみ、食べ物を誤嚥してむせることも出てきていました。この時も、ご家族が懸命に明るく支えていらっしゃる様子が伺えました。

 障害認定日から3か月以内の診断書を記載していただき、初診日から約2年後に無事障害厚生年金2級の年金証書をお届けすることができました。

 

 進行する難病と向き合いながら、家族への感謝、思いやりを忘れない姿に、いのちの先輩として本当に教えられることが多く、忘れることができない事例です。

 

担当社労士 K.M(大阪府)

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