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障害年金は「受給が決まったら終わり」というものではありません。ほとんどの場合は定期的に更新手続きがあります。また、病状や家族構成、年齢の変化によっても必要な手続きが発生します。
ここでは、障害年金を受給した後のことについて、解説していきます。
障害基礎年金、障害厚生年金のどちらの場合でも、障害等級1級または2級に決まった場合は、届け出をすることで障害年金を受給している間の国民年金の保険料納付が免除されます。(「法定免除」といいます)
「法定免除」期間があると、将来受給することができる老齢基礎年金の金額が少なくなります。そのため、国民年金保険料の納付を希望し、納めることもできます。
過去にさかのぼって1~2級の障害年金が支給される場合は、その期間に納めていた国民年金保険料を「返還してもらう」か「納めたままにする」かを選べます。
「法定免除」を受ける場合は、年金事務所や市町村役場にある「国民年金被保険者関係届出書」を、年金事務所または住民登録をしている市区町村役場の国民年金課に提出します。
国民年金の保険料は、障害年金を受給しても納付し続することができます。また「法定免除」にした期間については、10年前までさかのぼって納めること(追納)ができます。
障害状態が改善する可能性がある場合などは、今後、老齢基礎年金を受給する可能性を考え、国民年金保険料をどうするのがよいか検討する必要があります。
なお、厚生年金保険の保険料には「法定免除」制度はありません。
障害年金は、生涯にわたって受給できる「永久認定」と受給できる期間が定められている「有期認定」に分かれています。
「永久認定」は、手足の切断や失明で今後状態が変わらないと判断されるケースなどに限られます。
ほとんどの場合、1年~5年ごとに障害状態を確認するため、更新の手続きが必要です。
更新の時期が来ると、誕生月の3か月前の月末に「障害状態確認届」という診断書用紙が郵送で届きます。(例:6月生まれなら3月末)
診断書欄を医師に書いてもらい、同封の返信用封筒で、誕生月の末日までに日本年金機構へ提出します。
はじめに請求したときと同じように、病状や日常生活の状況を医師にきちんと伝えましょう。
書類の内容確認が必要となることがありますので、提出前に必ずコピーを取りましょう。
はじめに請求した時と違い、自分で作成が必要な書類は原則ありません。ただし、提出してはいけない訳ではありませんので、経過や病状を伝える必要があれば、任意で提出することは可能です。
なお、年金額の加算の対象になる子どもや配偶者がいる場合は、「生計維持確認届」も届きますので、氏名や生年月日などを記入して、一緒に提出します。
期限までに提出できない場合は、障害年金の支給が一時的に差し止めになりますので、早めに手続きをしましょう。
受給が決まったとき、障害が原因で働いていなかった人が、その後に働けるようになった場合でも、すぐに障害年金の支給が止まることはありません。
自ら「障害不該当届」を提出しない限り、少なくとも次回の更新時期までは、そのまま継続して支給されます。
「障害状態確認届」を提出してから約3~4か月後に、審査結果が郵送で通知されます。
障害状態を確認し、変化がなければ同じ障害等級で続けて支給されます。
改善や悪化が確認された場合には、等級が変わったり、支給が止まったりすることがあります。
審査結果 | 反映される時期 |
---|---|
同じ等級で継続 | - |
重い等級に変更(増額) | 「障害状態確認届」の提出〆切月の翌月分から (6月が提出〆切月なら、7月分から) |
軽い等級に変更 (減額) | 「障害状態確認届」の提出〆切月の4か月後分から (6月が提出〆切月なら、10月分から) |
支給停止 |
審査の結果、病状が変わっていないのに軽い障害等級に変更されたり、障害年金に該当する状態なのに支給が止まったりした場合は、不服申立てをすることができます。
不服申立てのやり方は、請求手続きをしたときと同じです。詳しくは「決定に不服があるとき」ページをご覧ください。
なお、同じ等級で支給が継続した場合は、その結果に納得できなかったとしても、不服申立てをすることはできません。同じ等級であるという確認作業をしただけで、何らかの「処分」が下された訳ではないからです。このような場合は、次に説明する「額改定請求」をすぐに行うことができます。
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障害年金を受給中に病状が悪化した場合は、より重い障害等級への変更を求める「額改定請求」をすることができます。
「額改定請求書」と病状が悪化したことが反映されている診断書を提出することで、改めて審査が行われます。
この手続きができるのは、原則として障害年金を受給する権利を取得した日、または障害の程度の診査を受けた日から1年を経過してからです。
ただし、人工関節や心臓ペースメーカーといった人工物を体に入れた場合のように、明らかに障害状態の悪化が分かる場合には、その時点から手続きできる例外が一部あります。
「額改定請求書」は更新手続きの際、「障害状態確認届」と一緒に提出することもできます。
なお、永久認定を受けている人でも、病状が悪化した場合には額改定請求をすることができます。
「額改定請求書」を提出した結果に納得がいかない場合は、不服申立てをすることができます。
更新手続きの結果、障害年金の支給が止まっていた人は、病状が悪化した場合、いつでも支給の再開を請求できます。
これは上記の「額改定請求」とは違い、支給停止から一定期間を空ける必要はありません。
「支給停止事由消滅届」と病状が悪化したことが反映されている診断書を提出することで、改めて審査が行われます。
この手続きは、障害年金の支給対象となる障害状態に該当している時点にまでさかのぼって行うことができます。
請求が認められた場合は、「支給停止消滅届」に書かれた『消滅の事由に該当した年月日』の翌月分から支給が再開されます。
ただし、時効があるため、さかのぼって受給できるのは最大5年間です。(さかのぼる年数が長い場合は、複数の時期の診断書を提出するよう求められることがあります)
支給再開の請求が認められなかった場合は、不服申立てができます。
受給中の障害年金と相当因果関係のない新たな障害が発生したときは、手続きをすることで、より重い障害等級に変わる可能性があります。(手続きをしても等級が変わらないこともあります)
新たな障害で別途、請求手続きをすると、受給中の障害と新たな障害とを合わせて等級の判定が行われます。
こうした仕組みについては、「障害認定基準」で細かく定められています。
新たな障害が受給中の障害と相当因果関係がある場合は、受給中の障害が悪化したとみなされるため、「額改定請求」をすることになります。
個々のケースについては、電話相談にてご確認ください。
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障害年金は、一定の条件を満たしている子どもや配偶者がいる場合、年金額が加算されます。
加算の対象になる子どもや配偶者の状況が変わったときは、年金額が増減することがありますので、年金事務所等の窓口で手続きをしてください。年金額が減るケースでは、手続きが遅くなると返還金が発生する場合があります。
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公的年金には「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3つがありますが、“一人一年金”が原則です。
そのため、障害年金を受給している人が「老齢年金」や「遺族年金」を受給できるようになった場合は、どれか1つを選択することになります。障害年金と別の年金をあわせて受給することはできません。
“一人一年金”が原則ですが、65歳からは、受給権のある年金が複数ある場合には、組み合わせて有利に受給することができることがあります。
障害基礎年金、障害厚生年金のどちらも、障害等級1~2級の人は、障害基礎年金を受給しています。
これらの障害基礎年金を受給している人(=障害等級1~2級の人)が、下記の年金を受給できるようになったときは、3つの組み合わせの中から、有利なものを選ぶことができます。
有利な組み合わせや受給できる金額は人によって異なりますので、年金事務所でご確認ください。
このページでは、障害年金の受給が決定した後のことについて、説明してきました。
「障害年金は、受給後も色々と手続きが発生する」ことを知っておきましょう。
必要な手続きはケースによって様々です。
更新手続きでお困りの方や、環境に変化があり手続きで悩んでいる方は、お気軽に障害年金支援ネットワークまでご相談ください。
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『神戸市難病相談支援センター』さまからご依頼を受け、勉強会を行いました。
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