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うつ病と障害年金

掲載日:2019年4月5日

更新日:2022年4月22日

 うつ病とは、ストレスなどが原因で精神的なエネルギーが低下し、気分が沈み込んだり、気力が湧かなくなったりする精神疾患です。

 障害年金支援ネットワークへの相談で一番多い傷病です。

 ここでは、うつ病について、どんなときに障害年金が受給できるのか、請求(申請)する際はどのようなことに注意すればよいのか等を解説します。

1. うつ病で障害年金を請求(申請)するための前提条件

女性のイラスト

 まず前提として、「初診日要件」と「保険料納付要件」を満たしていることが必要です。これはどの傷病でも共通することです。

「初診日要件」…障害の原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること。

「保険料納付要件」…初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間についての保険料納付済期間と免除/猶予期間を合算した期間が加入期間の3分の2以上納められている、または、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に滞納期間がないこと。※20歳前に初診日がある場合は保険料納付要件は問われません。

 (詳しくはこちら

 その上で、病気や障害の状態が定められた基準に該当しているかどうかで、障害年金の支給や等級が決められます。

 いくら症状が重くても、「初診日要件」や「保険料納付要件」を満たしていない場合は、障害年金を受給することはできません。

2. うつ病の『障害認定基準』

 うつ病がどのような状態のときに障害年金の対象となるかを示した『障害認定基準』は、以下の通りです。(※一部を抜粋し、分かりやすく編集しています。原文はこちら

 症状が重い方から順に1級、2級、3級となっています。

 3級は、初診日に加入していた年金制度が厚生年金保険(共済年金)の方が対象です。初診日に国民年金に加入していた方は、1級または2級に該当しないと障害年金が支給されません。

 等級によって、支給される障害年金の額が異なります。(障害年金の額はこちら

障害の程度

(等級)

障害の状態

1級

高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の症状があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの

2級 気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の症状があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の症状があり、その症状は著しくないが、これが持続又は繰り返し、労働が制限を受けるもの
  • うつ病は本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すものである。したがって、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮する。
  • うつ病以外に、認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
  • 日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するように努める。また、現に労働に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。
  • 人格障害は、原則として認定の対象とならない。
  • 神経症にあたっては、その症状が長期間継続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属す病態であるかを考慮し判断すること。

3.『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』

 うつ病で障害年金を請求(申請)するときは、「精神の障害用」の診断書を使用します。

 2016年(平成28年)9月に運用が開始された『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』では、「精神の障害用」診断書の裏面にある「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。診断書の裏面と照らし合わせてご覧ください。

「精神の障害用」の診断書裏面

「日常生活能力の判定」とは

 「日常生活能力の判定」とは、日常生活の7つの場面における制限度合いを、それぞれ具体的に評価するものです。

日常生活の7つの場面

 

適切な食事 配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。
身辺の清潔保持 洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の掃除や片付けができるなど。
金銭管理と買い物 金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど
通院と服薬 規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるなど。
他人との意思伝達及び対人関係 他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。
身辺の安全保持及び危機対応 事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど。
社会性 銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

単身生活を仮定して、7つの場面における日常生活の制限度合いを、次のいずれかに判定します。

 

できる
自発的に(おおむね)できるが時には援助や指導があればできる
(自発的かつ適正に行うことはできないが)助言や指導があればできる
助言や指導をしてもできない若しくは行わない

「日常生活能力の程度」とは

 「日常生活能力の程度」とは、「日常生活能力の判定」の7つの場面も含めた日常生活全般における制限度合いを包括的に評価するものです。

精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。
精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

ガイドラインで定められている障害等級の目安

 ガイドラインでは「日常生活能力の判定」を数値化した平均値と「日常生活能力の程度」の評価により、障害等級の目安が示されています。

 具体的には、「日常生活能力の判定」の4段階評価について、程度の軽い方から1~4の数値に置き換えて平均値を算出し、「日常生活能力の程度」の(1)~(5)と合わせて、おおよその等級を導き出します。

 ただし、障害の等級はあくまで参考です。個々の等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されます。目安とは異なる認定結果となることもあるため、注意する必要があります。

 なお、表内の「3級」は、障害基礎年金を認定する場合には「2級非該当」(=不支給)と置き換えます。

[障害等級の目安]

 

判定平均\程度 (5) (4) (3) (2) (1)
3.5以上 1級 1級 又は 2級      
3.0以上3.5未満 1級 又は 2級 2級 2級    
2.5以上3.0未満   2級 2級 又は 3級    
2.0以上2.5未満   2級 2級 又は 3級

3級 又は 3級非該当

 
1.5以上2.0未満     3級 3級 又は 3級非該当  
1.5未満       3級非該当 3級非該当
「精神の障害用」の診断書裏面の一例

例えば上記の場合、「日常生活能力の判定平均」は(2+1+4+3+3+3+3)÷7=2.7 「日常生活能力の程度」は(3)となり、『2級 又 は3級』が障害等級の目安となります。

等級の目安とその他考慮される要素

 等級判定ガイドラインでは目安とされた等級であっても、それだけでは捉えきれない障害ごとの特性があります。そのため、以下のような要素を総合的に考慮され、最終的な等級が決定されることになります。

病状又は病態像

 現在の症状だけではなく、症状の経過(病相 期間、頻度、発病時からの状況、最近1年間程度の症状の変動状況など)及び、それによる日常生活活動等の状態や予後の見通しが考慮されます。

療養状況

 通院の状況(頻度、治療内容など)、薬物治療を行っている場合は、その目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)や服薬状況が考慮されます。

 通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由や他の治療の有無及びその内容などが考慮されます。

 入院している場合は、入院時の状況(入院期間、院内での病状の経過、入院の理由)などが考慮されます。

生活環境

 家族等からの日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮されます。

 独居の場合は、その理由や独居となった時期が考慮されます。

就労状況

 労働に従事していることをもって、ただちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力が判断されます。

4. 障害年金の請求(申請)手続きの進め方

 うつ病で障害年金を請求(申請)するときのおおまかな流れは、次の通りです。

  • 1
    『初診日』を調べる
     
  • 2

    年金事務所などで「保険料納付要件」を満たしていることを確認する
     

  • 3
    『初診日』を証明する書類を揃える
     
  • 4
    医師に診断書を書いてもらう
     
  • 5
    「病歴・就労状況等申立書」を作成する
     
  • 6
    その他の必要書類を揃える
     
  • 7
    請求書類を提出する

 具体的な手順はこちらのページで詳しく説明していますので、ご確認ください。

5. うつ病で障害年金を請求(申請)するときの注意点

日常生活の状況は、きちんと診断書に反映されていますか?

 うつ病での障害年金認定では、診断書裏面の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」が特に重要なポイントです。

 このうち「日常生活能力の判定」は、一人暮らしであると仮定して、医師が記載することになっています。

 受診の際、ありのままの状況を話せていますか?

 医師の前では元気に振る舞っていませんか?

 このような場合は、日常生活能力がきちんと診断書に反映されない可能性があります。

 そうならないために、普段から医師とコミュニケーションを取り、日常生活の状況を伝えるようにしましょう。

 診断書の依頼時には、日常生活状況をまとめたメモを渡したり、ご家族など、普段の様子を知っている方から説明してもらったりするのも有効な方法です。

精神科の受診日が初診日とは限りません!

 うつ病では、不眠や頭痛の症状で内科などを受診し、その後に心療内科や精神科でうつ病と診断されるようなケースがあります。

 この場合、心療内科や精神科を受診した日ではなく、不眠や頭痛の症状で内科などを受診した日が初診日となります。

 また、最初は「自律神経失調症」など、別の病名がついていることもあります。うつ病との間に関連性が認められる場合は、初診証明の病名が違っていても問題はありません。

働いていると障害年金は受給できない?

 働いていても障害年金を受給できる可能性はあります。ただし精神の障害の場合、他の疾病のような病気の程度を表すような数値的な指標がないため、就労している事実のみによって日常生活能力があると見られたり、障害の状態が軽くなっていると判断されたりすることがあります。

 うつ病で障害年金を請求(申請)する時は、障害認定基準に記載されているように、仕事の種類や内容、就労状況、仕事場での援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを審査側に伝える必要があります。

6.うつ病で障害年金の支給が認定された事例

 障害年金支援ネットワーク会員のサポートによって、障害年金の支給が認定された事例の一部をご紹介します。

 複雑な手続きは、最初から専門家に任せるのも一つの方法です。

 障害年金支援ネットワークでは、ご希望があれば、手続きを代行する社会保険労務士を紹介することもできます。(詳しくはこちら

7.最後に

 このページでは、うつ病と障害年金について解説してきました。

 同じうつ病でも、発病の経緯や状態が人それぞれ違うように、障害年金も、その人の置かれた状況に応じたやり方で手続きを進める必要があります。

 病気を抱えながら、何度も年金事務所や病院に足を運び書類を揃え、慣れない請求(申請)手続きをするのは大変な作業です。

 ご自身だけで進めようとせず、専門家を頼ってください。

 この記事をご覧になってもなお、ご不安なことや分からない点がありましたら、障害年金支援ネットワークまでご相談ください。きっとお役に立てるはずです。

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